約 30,346 件
https://w.atwiki.jp/tarowa_another/pages/18.html
作中ではこの順番の名簿が配布されています。 ○愛乃めぐみ ○秋葉原人 ○秋山澪 ○一方通行 ○朝倉涼子 ○アーチャー ○一条薫 ○乾巧 ○エドワード・エルリック ○衛宮士郎 ○エンヴィー ○大森ゆうこ ○長田結花 ○海堂直也 ○海馬瀬人 ○花京院典明 ○ガッシュ・ベル ○ガッツ ○上条当麻 ○キノ ○木場勇治 ○キョン ○キング・ブラッドレイ ○空条承太郎 ○草加雅人 ○古泉一樹 ○ゴ・ガドル・バ ○五代雄介 ○琴吹紬 ○コレット・ブルーネル ○相良宗介 ○白井黒子 ○白雪ひめ ○ジャン=ピエール・ポルナレフ ○ジョセフ・ジョースター ○シールケ ○涼宮ハルヒ ○スパイク・スピーゲル ○セイバー ○ゼロス・ワイルダー ○ゾッド ○田井中律 ○高嶺清麿 ○DIO ○テレサ・テスタロッサ ○遠坂凛 ○長門有希 ○中野梓 ○ネイキッド・スネーク ○氷川いおな ○ビシャス ○平沢唯 ○ブラゴ ○古畑任三郎 ○間桐桜 ○御坂美琴 ○武藤遊戯 ○村上峡児 ○矢部謙三 ○ランサー ○リボルバー・オセロット ○ロイド・アーヴィング ○ロイ・マスタング ○ン・ダグバ・ゼバ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/2622.html
第4話 a Farewell in the Worst Nightmare 翌朝、強制ハイキングを乗り切って何とか校門まで辿り着き、下駄箱を開けた俺の目に飛び込んできたのは、 【放課後。一年五組の教室で待つ】 見覚えのある、プリンタが吐き出したかのような明朝文字だった。 …なぁ、長門。贅沢を言うつもりはないが、もう少し待ち合わせ場所は選べなかったのか? この間朝倉が帰ってきたばっかりだってのに、嫌でもあれを思い出しちまうじゃねーか。 なんとなく展開が予想できてしまう自分を発見して切ない気分になりつつ、俺は教室へと鉛のごとく重くなってしまった足を向けた。 …この時点で少しでも後の展開を予想できていれば、俺はあの悲劇を防げただろうか。 この身を切り刻むような後悔など、せずに済んだのだろうか。 今となってはもう、それを確かめる術はない―――。 § そして、放課後。 一年五組の教室で俺を待っていたのは、やはりというか何というか、読書好きのSOS団員にして宇宙人だった。 「…よう、長門。待ったか?」 「………」 ミリ単位の首肯。仕方ねぇだろ、ハルヒを説得するのに手間取ったんだよ。 「ちなみに…用件は、」 「……そこから、動かないで」 俺、思わず固まる。 「…本題の前に」 そんなビビリの俺に構わず、長門は話を続けてきた。 「わたしは、今回の情報統合思念体の作戦判断には反対していた」 「…はぁ?」 いきなり何を言い出すのだろうか。 「…聞いて。今回の作戦において、あなたの役割は『餌』。よって、その位置から移動すると何らかの損害を負う確率が増大する」 …餌? 「そう。今回の作戦は思念体に敵対する存在、便宜的呼称『天蓋領域』の地球付近の宙域からの撃退及び端末の掃討。彼らが所有する端末は一つしかない。その端末を破壊、または機能停止状態にできれば作戦は成功」 …よく分からんが、その存在ってのはあれか、雪山の時の。 「そう。そして、彼らも涼宮ハルヒの能力に関心を持っている。彼女の『鍵』であるあなたにも」 …やれやれ、こうまで次から次へ命を狙われ続けるとそういうのに耐性がつきそうだ。 それじゃあ、朝倉が急に現れたのは。 「朝倉涼子の任務は、わたしのバックアップ兼あなたの護衛」 ―――そうか。それならあいつの告白は、 「それは違う」 俺を側に置いておくための口実じゃなかったのか? 「…え?」 「朝倉涼子はとても優秀。護衛程度の任務ならば、例え禁則プログラムが機能していても即座にわたしと連絡をとり、状況に対応して十秒以内にあなたのところまで到達することが可能」 そんなにすごい奴だったのか、あいつ。 「……おそらく、朝倉涼子のそれは純粋な好意から取った行動だと思われる」 絶句。 どこか怒ったような―――そう、まるで親友をけなされて怒っているかのような長門の言葉と視線に、胸にこみ上げてくる罪悪感。 朝倉の気持ちを一瞬でも疑ってしまった自分が、情けなくて仕方なかった。 どんよりとした自虐思考の海に沈み込まんとする俺を現実に引き揚げたのは、 「……来た」 長門の単純明快な開戦宣言だった。 § そこに現れた―――いや、『舞い降りた』のは、白磁の肌を備えた黒翼の堕天使。 よくよく見ると、黒い翼に見えたのは異様なまでのボリュームを持ち、波涛のごとく波打つ長い長い黒髪だった。 堕天使の少女は気だるげな視線をこちらに向けると、 「―――あぁ……あなたは、誰―――?」 故障したオーディオ機器のように歪にひび割れた、声帯が腐敗したかのような声色で俺たちに問いを投げてきた。 俺が戦慄のあまり反応できずにいると、 「…長門有希」 そんなに律儀に答える必要もないんだぞ、長門。 「―――そう……私は…周防………九曜―――」 …周防、九曜? 苗字はどちらなのか、などと間抜けなことを考えている俺を尻目に、二人の異種宇宙人は互いを敵であると認識したようで、大した会話もないまま、ほぼ同時に戦闘体制をとった。 転瞬。 朝倉の時の比ではない。 机や椅子などはそのままに、教室は一瞬にして極彩色に明滅する異空間へと変貌した。 先に仕掛けたのは堕天使。ものすごい速さで呪文(らしきもの)を詠唱、右手を翳すと、黒い半月状の刃が長門めがけて殺到した。 跳躍してそれをかわし、負けじと高速詠唱。左手から直径3メートルはあろうかという巨大な水柱が発生し、堕天使を吹き飛ばす。 その隙を突いてさらに詠唱を重ねる。右腕を振り上げると、何十万、何百万という刃の雨が九曜に降り注いだ。 「やったか…?」 端のほうで情けなくもただ縮こまっていた俺は、おそるおそる長門に尋ねてみる。 と、次の瞬間―――。 突如として地を伝って現われた二条の十字架が、長門の両腕を肩口から切断した。 「……っ!」 「長門!?」 肩だけではなかった。十字架は腹部にも掠ったらしく、裂け目からは内臓が零れている。 傷口はまるで噴水のように、とめどなく鮮血を吐き出していた。 「―――あなたでは……恐らく、私には勝てない―――」 気だるげに、しかし冷酷に告げて、砂煙の中から九曜が姿を現わした。 「…確かに、わたしだけではあなたには勝てない」 そして、長門の珍しく弱気な台詞。 俺が驚愕とともに絶望に呑まれかけていると、 「―――あくまで、長門さん一人なら…ね♪」 瞬間、九曜の身体を褐色の槍が貫いた。 蒼黒の髪をなびかせ、ごついアーミーナイフを携えて悠然と佇むそいつは、 「あ…朝倉!?」 朝倉は俺に向かって微笑みかけると、いつかのように机を次々と槍に変えて堕天使に投擲した。 5本、6本……。長門の仇とばかりに腕を、腹を、胸を貫く朝倉の槍。 そして、止めに手にしたナイフを九曜の眉間に叩き込むと、朝倉はこちらに歩み寄ってきた。 § 「ゴメンね、キョン君。利用するような真似しちゃって」 やはり微笑んで、顔の前で両掌を合わせる朝倉。 その向こうでは、長門が何事もなかったかのように自らの身体を再構築していた。 「私も、今回の作戦には反対だったんだけど。…やっぱり、端末ごときの意見は通らないみたい」 その顔で謝られても、全然申し訳なさそうには見えないのだが。 そして、俺が憎まれ口の一つでも叩いてやろうと口を開きかけた、その時。 「―――自壊…プログラム……『ハルマゲドン』、―――発動」 息絶えたと思っていた九曜のその言葉に、二人の思念体端末は硬直した。 朝倉などは青ざめた顔で、へなへなとその場に崩れ落ちてしまっている。 そして、あろう事か長門さえもが、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。 「『ハルマゲドン』…?」 思わず俺の口をついて出た疑問形の言葉に、長門が解説を入れてくれる。 それによると、 「自らの身体の構成物質の一部を反陽子に転換、周囲の空間を陽子崩壊による爆発に巻き込む自爆プログラム」 …なんだそうだ。 要するに、この空間内で核爆発のような現象が発生し、全て跡形もなく消し飛んでしまうらしい。 大体予想はついていたが、念のために確認してみる。 「いつかみたいに、情報なんたらの解除とかはできないのか?」 「プログラム自体に強固なプロテクトがかけられている。解除は可能だが、実行中にプログラムが発動する可能性が大きい」 「じゃあ、この空間から逃げ出せば…」 「それも不可能。完全に封鎖されている。あの端末が機能を停止しない限り、この空間からは脱出することが出来ない」 九曜のほうを見ると、全身に槍とナイフを突き立てられてなお、立ち上がって視線をこちらに固定している。 ギリギリまで時間稼ぎをするつもりらしい。弁慶もびっくりである。 「諦めるしかない、ってことか…?」 今度こそ絶望しかけた俺の耳に、 「―――私がいくわ」 朝倉の、断固たる決意を秘めた声が届いた。 § 「…朝倉?」 ただならぬ気配を感じて、俺は思わず朝倉の方を見た。 それに構わず、朝倉は一歩、また一歩、傷だらけの堕天使へと向かっていく。 「……―――!」 九曜が残った右腕を刃物に変え、袈裟懸けに振り下ろす。 その凶刃を左手で掴んで止めると、朝倉は詠唱を開始した。 そして、 「―――パーソナルネーム周防九曜、およびパーソナルネーム朝倉涼子の構成情報の凍結を申請」 ぴしり。 硝子に亀裂が走るかのように。 彫像に罅が入るかのように。 あるいは―――水分ではない何かが、無理矢理凍らされるかのように。 朝倉と九曜が触れ合う、刃の部分。 そこから、互いの身体が結晶化を始めていた。 「―――!?」 「無駄なの」 振り払おうともがく九曜に、わずかな憐憫を込めた声で朝倉は言う。 「今回は発動したが最後…。たとえ私が機能停止状態に陥っても、情報凍結は止まらないわ」 「あ、朝倉…?」 結晶化は進む。 朝倉の長い髪が堕天使に絡みつき、動きを封じ、そこからさらに結晶化を侵食させていく。 「…そんなことをしたら、あなたまで」 長門が呆然とした様子で呟く。 「うん。まあ、確実に機能停止状態になるでしょうね」 「そんなっ!?」 あっけらかんとして言う朝倉に、俺は半狂乱状態で、 「う…嘘だろ? 朝倉!?」 「嘘じゃないわよ? この場においては、これが最良の選択だもの。 ここで皆死ぬのは論外、長門さんは大事なSOS団員。あなたを助けるにはこの方法しかないのよ」 「んなっ…! おい長門! どうにかならないのかよ!?」 「…無理。一度発動してしまえば、途中で止めることは不可能」 一見、冷徹なように思える長門の様子。 だが、長門は―――俺にしか分かるまい―――心の底から悔しそうな顔をしていた。 「…っ!! 朝倉! なぁ、やめろよこんなの! 発動者のお前なら取り消しもできるだろ!?」 既に自分が何を言っているのかすら判然としない。 もう肩まで侵食された朝倉に向かって、最後の望みをかけて叫ぶ。 しかし―――。 「うん、それ無理」 朝倉はにっこりと笑って。 「だって、私は本当に―――、あなた達に生きていてほしいんだもの」 「………涼子…!」 長門の、悲痛な叫びを最後に。 朝倉は、微笑みを浮かべたまま完全に結晶化した。 § 氷のような水晶像が2つ。 全てが終わった教室で、俺はただ呆然とそれらを眺めていた。 動かない。返事をしない。表情を変えない。 抜け殻のような氷の彫像に、抜け殻のようになった俺は視線を注ぐ。 …俺は。 あいつの告白に、返事もしていない。 何も伝えられず、何も与えられず、あいつは俺の目の前で、俺を救うために犠牲になった。 「……朝倉涼子は」 振り返る。 長門が教室の情報を再構成し終えて、こちらに歩いてきた。 「あの場において最も正しい判断に基づいて行動した」 あまりに無機質な物言い。 思わずかっとなって、俺は長門の肩を掴んだ。 そして、俺は程なく驚愕と後悔を同時に味わうこととなる。 長門は、泣いていた。 「可能ならば、私があの作業を担当するべきだった。…涼子に、あなたに、負担を負わせたくなかった。 それなのに……、思念体は許可を出してはくれなかった」 嗚咽もなく、ただ涙を流す長門。 いつの間にか、俺も泣いていた。 こいつだって、もっと朝倉と一緒にいたかったのだろう。 さっきとっさに『涼子』と呼んだときのように、もっと朝倉に甘えたかったのだろう。 目の前で大切なものが失われていくとき、何も出来ずにいたという無力感。 なまじ万能の力を持つがゆえに、長門が受けたその衝撃は、傷跡は、俺よりも大きいようだった。 全てが終わった教室で。 想い人を失くした無力な人間と、姉を失くした万能なる宇宙人は、 いつまでも、泣きつづけていた。 NEXT?
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5017.html
もくじ 「やぁ、こんな注意書きにまで目を通してくれるとは、ありがたいね」 「あれ?今回はここに鶴屋さんはいないのですね」 「なんでも遂に本編に出番が出たとかなんとか」 「そうなのですか」 「まぁ作者が気付かずに出してしまったというのもあるようだが…」 「…本人には聞かせないようにしましょう」 「それが賢明だろう。さて、この話は「朝倉涼子迷走記」という話の続きの話になるようだ」 「話の流れがわからないと言う人は前の話を読んでくれると嬉しいのです」 「─…また…この話は─SOS団の…ぐーたらな日常を─…描いたもの」 「わっ!九曜さん!いつからそこに!?」 「くっくっ、始めから橘さんの後ろにいたじゃないか」 「─…だから、過度な…期待はしないで」 「よし、注意書きはこんなものかな。ところで九曜さんは何を食べてるんだい?」 「─…カレーまん」 「九曜さんのお気に入りなのです!」 前編 後編
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4174.html
※バッドエンド注意 ────パーソナルネーム長門有希より、指揮下にある全インターフェースに告ぐ。総員ジェノサイドモード。涼宮ハルヒの生存を脅かす敵を殲滅せよ。 「機関」本部ビル。 そこに忽然と現れた長門有希は、ただ静かにそう命じた。 「機関」の方針が涼宮ハルヒの抹殺に転換したことを把握した情報統合思念体は、「機関」構成員及び関係者の抹殺を決定したのだった。 「派手にやっちゃっていいのかしら?」 長門有希の隣に立って、軽い口調でそう言ったのは、あの朝倉涼子であった。 「好きにすればよい。この任務が終われば、あなたは再び情報連結を解除されることになっている。日頃の憂さを晴らす少ない機会を存分に生かせばよい」 「なんだか道具扱いされてるみたいで気に入らないわね」 「情報統合思念体のインターフェースに対する認識はその程度のもの。だから、我々も自分の判断で動けばよい。命令を受諾するのも拒否するのもあなたの自由」 「長門さんも随分とはっきりいうわね。まあ、いいわ。せっかくの機会だもの、暴れさせてもらうわよ」 朝倉涼子はビル内を駆けた。 右手に握った剣で、目に付く人間たちを容赦なく惨殺していく。 他のインターフェースも同様の任務にあたっていたが、その中でも朝倉涼子の殺戮は群を抜いていた。 何十人目かの犠牲者になるであろう人間を視認。 それは古泉一樹と呼ばれる個体であった。まあ、彼女にとっては、そんな情報はどうでもいいことであったが。 「待って」 割って入った長門有希によって、朝倉涼子の行動は止められた。 「なに? この人間に情けをかけようっていうの?」 「違う。古泉一樹は私の友人。だから、私自らの手で葬るのが、せめてもの礼儀であろう」 古泉一樹の顔が引きつった。 「ふーん。まあ、いいわ。私は他の人間を始末してくるから」 朝倉涼子は、古泉一樹の横を目にも止まらぬ速さで駆け抜けていった。 「長門さん。お願いです。やめていただけませんか? 『機関』の上層部は僕が何とか説得しますから」 「あなたは既にその説得に失敗した。状況はもはや話し合いの段階にはない。あなたの選択肢は二つだけ。我々の側につくか、我々に敵対するかである」 「SOS団も『機関』も、僕にとっては等しく大切なものなんです。僕は両方とも救いたい。情報統合思念体なら『機関』の情報を操作して方針を変えさせるぐらい簡単なことでしょうに」 「そうなれば、情報統合思念体は常に『機関』の動向を把握して情報操作を行ない続けなければならない。それは非効率」 「長門さん。『彼』だって、こんなやり方は決して許しはしませんよ!」 古泉一樹にとって、その言葉は切り札のつもりだった。 しかし、今の長門有希にとっては、逆効果でしかなかった。 「パーソナルネーム古泉一樹を敵性と判定」 長門有希の右手に、剣が現れた。 「長門さん!?」 古泉一樹の顔が恐怖で染まった。 「あなたは、私がそのことを考慮しなかったとでも思っているのか? 私にとって、『彼』の私への好悪の感情よりも、涼宮ハルヒの保全の方が優先する。私は『彼』にとって最も大切な存在である涼宮ハルヒを保全するために必要なすべての措置をとる。そう決めた」 次の瞬間。 古泉一樹の目の前に、長門有希の顔があった。 そして、彼の胸には剣が貫通していた。 戦闘……いや、一方的なジェノサイドは、ますます苛烈さを増していた。 天井のコンクリートが崩れ、瓦礫がガラガラと降り注いでくる。 長門有希は、ふと背後に時間平面破砕振動を感知した。 古泉一樹に突き刺した剣を手放し、とっさに振り向いて、右手を前方に突き出す。 右手がバズーガ砲のようなものの銃口を受け止めた。右腕をそのままに、体を横にずらす。 次の瞬間、エネルギーの奔流が長門有希の右腕を消し飛ばした。 長門有希は、その刹那の間に相手の身体に拘束をかける。 「あなたがたは必ず奇襲で来るものと予測していた」 「予測されちゃってましたか。さすがですね、長門さん」 諦め気味の微笑を浮かべて答えたのは、朝比奈みくる(大)であった。 長門有希は、右腕を再生するために、呪文を唱える。 「私の部下たちはどうなりました?」 長門有希が指揮下のインターフェースから報告を受けるのに、少し時間がかかった。 「涼宮ハルヒを抹殺しようとした者たちは、すべて完全に排除された。『機関』の援護に回った者たちも時間の問題」 「やっぱり駄目でしたか」 天井から崩れ落ちる瓦礫は、二人だけを避けるように落下している。 「あなたの任務からすれば、あなたこそが涼宮ハルヒの抹殺におもむくべきではなかったか?」 「そうですね……おっしゃられるとおりです」 「ならば、なぜ?」 「長門さんなら、私を確実に殺してくれる────そんなふうに思ったのかもしれません」 「そう……」 長門有希は、再生した腕でバズーガ砲のようなものを朝比奈みくるから取り上げた。 構造はすぐに理解できた。強力なガンマ線レーザーを放つ武器。 さきほどの射撃で電源が空になっていたが、情報操作で充電を完了する。 「あなたの異時間同位体は?」 「小さい方の私なら、元の時間平面に帰しました。時間軸の上書きで未来は激変してしまうでしょうから、あの子の存在が維持されるかどうかは分かりませんが」 「もし残れるのであれば、このようなことからは無縁な生活を送ってほしいと思う」 「そうですね」 「あなたにはいろいろと世話になった。ありがとう。そして、」 長門有希は、ガンマ線レーザー砲を朝比奈みくるに向けた。 「さようなら」 不可視の光線が朝比奈みくるの胸に大穴を開け、彼女はゆっくりと倒れていった。 キョンは全力で走っていた。 息はあがっていたし、足もふらふらだったが、それでも彼は走ることをやめなかった。 体力を絞りつくすように現場に到着したとき、彼が目にしたのは、瓦礫の山の上にたたずむ長門有希の姿であった。 彼女は、彼の方を向くと、ただ一言。 「終わった」 「長門……なんてことを……」 長門有希の足元が、半透明になっていた。 彼女の体が、砂が崩れ落ちるように徐々に消えていく。 「長門……おまえ……まさか!?」 「最初からこうしようと決めていた。あなたが私のこの行為を許してくれないことは分かっていたから」 「馬鹿野郎!」 キョンは、彼女の元に駆けていく。 「涼宮ハルヒの生存を脅かす敵はすべて排除した。だから、あなたは、」 あと一歩。 「涼宮ハルヒとお幸せに……」 彼の手は彼女には届かなかった。 長門有希の姿は、もう跡形もない。 伸ばされた手は、彼女を殴ろうとしていたのか、止めようとしていたのか。それすらも、もう分からない。 キョンは、瓦礫の山の上で、ただ呆然とするばかりであった。 「随分と派手にやってくれましたね。後始末をする私の身にもなってもらいたいものですが」 キョンが振り向くと、そこには喜緑江美里が立っていた。 「何しに来たんですか?」 「後始末です。人間たちの記憶から、この事件に関連する事項を消去します。この建物も復元しなければなりませんし」 彼女は、まるで何事もなかったかのように、いつもの薄い微笑を浮かべている。 「俺の記憶もですか?」 「もちろんです。長門さんのことも、古泉一樹、朝比奈みくるのことも、『機関』や情報統合思念体のことも、あなたと涼宮ハルヒの記憶から消去させていただきます」 「いやだ!」 キョンは、彼女に殴りかかろうとしたが、見えない壁のようなもので防がれた。 「長門さんの遺言なんです。あなたと涼宮ハルヒの記憶改竄には完璧を期すようにと。私も友人の遺言を無碍にするほど冷たくはないつもりですから」 「いやだ!」 キョンは見えない壁を叩き続けたが、破ることはできなかった。 「問答無用です。情報操作を開始します」 ・ ・ ・ ・ ・ 「ちょっと、キョン! あんた、まじめに考えてるの!」 文芸部室に、ハルヒの大声が響き渡った。 「んなこと言ったって、ほいほいと書けるもんか」 ミヨキチのネタは去年使っちまったからな。この俺に二年連続で恋愛小説を書かせようなんて、無理な話だぜ。 俺とハルヒしかいない文芸部を存続させるためには、毎年一回は機関紙を発行しなきゃならんというのは、俺も重々承知はしてるつもりだがな。 まあ、それも放課後をこの部室で二人きりで過ごすための口実でしかないんだが、ハルヒはそのことを素直に認めたがらない。 そんないじっぱりなところが可愛かったりもするんだが。 コンコン。 ノックのあとに、ドアが開かれた。 現れたのは、生徒会書記の先輩、喜緑江美里さんだ。 「何の用よ!」 ハルヒは、最初から喧嘩腰。部の存続のために、生徒会を懐柔しようなどという心積もりはまるでないらしい。 「きちんと活動なされているかどうか確認しに来ました。機関紙の方は順調でしょうか?」 「私の分はもう完璧よ。問題はキョンの分ね」 「どうしても恋愛小説を書けっていうんなら、俺とおまえの実体験をそのまま文章にでもしてやるか?」 「ちょっ、ちょっと何言ってんのよ! そんなの恥ずかしいから、やめなさい!」 ハルヒは顔を真っ赤にしながら、俺のネクタイを引っ張った。苦しいっつーの。 「相変わらず、仲がよろしいですね。大変結構なことです」 喜緑さんは、そういい残すと部室をあとにした。 「何なのよ、あの女。むかつくわ! キョン! 完全無欠の恋愛小説を書いて、あの女の鼻をあかせてやんなさい!」 そりゃいったいどういう理屈だ。 あの喜緑さんじゃ、いつもの微笑を浮かべたまま平然と読むだけだと思うぞ。 「とにかく、さっさと書きなさい!」 分かったよ。部長殿の命令は絶対だからな。 俺も、大変な奴を彼女にしてしまったもんだ。 まったく、やれやれだぜ。 ────パーソナルネーム喜緑江美里より、情報統合思念体へ。観測結果を報告します。観測対象の記憶改竄は完全なものと認められます。以上。 終わり。
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/4409.html
サンタクロースをいつまで信じていたかなんてことは、世間話にもならないくらいのどうでもいいことなんだけど。 (中略) そんな事を頭の片隅でぼんやりと考えながら、僕はたいした感慨も無く高校生になり…。 朝倉涼子と出会った。 国木田の憂鬱:第1話 憂鬱編 昼休みになると、僕は中学が同じで比較的仲の良かったキョンと、たまたま席の近かった東中出身の谷口と 机を同じくして食事をすることにしている。 朝倉涼子の話が出たのは、その時だった。 「俺だったたらそうだな、このクラスでのイチオシはあいつだな、朝倉涼子」 谷口がアゴをしゃくって示した先に、女の子達の一団がある。 その中で、ひときわ明るい笑顔を振りまいているのが、朝倉涼子だった。 「俺の見立てでは、1年の女の中でも、ベスト3には確実に入るね」 興奮気味に話す谷口に、キョンがいつものどうでもいいような調子で、 「1年の女子全員を、チェックでもしたのか?」 「おうよ。AからDまでにランク付けして、そのうちAランクの女子はフルネームで覚えたぜ」 朝倉さんがそのAなわけ? 「AAランク+だな。俺ぐらいになると顔を見ただけでわかる。アレはきっと性格まで良いに違いない」 確かに朝倉さんは美人だった。話す時の物腰も柔らかいし、同性からも異性からも人気がある。 授業での受け答えをみると、かなり聡明でもあるようだった。 なんというか、カリスマのようなものを彼女からは感じる。 でも、谷口から見たら高値の花だろうね。もちろん僕もだけど。 そんな事をしているうちにゴールデンウィークも終わり、少し経ったある日の事。 中学生時代からの友人だったキョンと、クラス一の変わり者、涼宮ハルヒとが付き合いだしたという噂が、 クラス中で話題になっていた。 先をこされた…と、しきりに悔しがっていた谷口が、キョンを休憩時間に捕まえて、 「俺、涼宮があんなに長い事他人と話してるのはじめてみるぞ、お前、どんな魔法を使ったんだ?」 キョンはいつものような飄々とした様子で、 「さて、何だろう?適当な事しか訊いてないような気がするんだが」 「驚天動地だ」 僕は谷口の後ろから、ひょっこりと顔を出して、 「昔からキョンは変な女が好きだったからねぇ」 「誤解を招くような事を言うな、国木田」 キョンは特に容姿が良い訳でもなく、勉強が出来るわけでもないのに、なぜか中学時代からよく異性にはもてていた。 しかも本人にその自覚が無いところが、本当に彼は変わってると、僕は思う。 なんていう、たわいも無い世間話に花を咲かせていると、 「あたしも聞きたいな」 いきなり、女性の声が振ってきた。軽やかなソプラノ。 見上げると、朝倉涼子が作り物でもこうは行かない笑顔で、キョンを見つめている。 「これから何か伝える事があったら、あなたから言ってもらうようにするから」 と、いいながら朝倉さんはキョンに両手を合わせてお願いまでしている。 結局、キョンは拝み倒される形で、朝倉さんに協力する事に同意したみたいだった。 朝倉さんは輝かんばかりの笑顔を振りまいて、女の子達の輪の中に戻っていった。 女の子達は朝倉さんからの提案を受けたキョンの様子を興味津々に見守っている。 ふと、その時、1人だけキョンではなく僕を見つめている人がいる事に気がついた。 朝倉さん? 僕はややあわてながら朝倉さんを見つめ直すと、もう朝倉さんは女の子達との談笑に入ってしまっていた。 あれはなんだったのだろう。僕の自意識過剰だったのかな。 思えば、これがネタフリだったのかもしれない。 くじ引きによる席替えの結果、前列から2番目ほぼ中央という、板書するには最適な位置を獲得した僕の横の席に、 朝倉さんが座っていた。 「ええと、国木田君」 突然、朝倉さんに名前を呼ばれて、少し驚いた。 「中学生の時、あなたはキョン君と同じ学校で、仲も良かったって聞いたけど」 うん、まあね。 「そう。それで、もし良かったら、中学生の時のキョン君のことを、聞かせてくれないかな」 なあんだ、朝倉さんもキョンの事が気になっていたのか。 それにしてもキョンは本当にもてるなあ。中学の時も佐々木さんといい仲だったみたいだし。 軽い失望感とうらやましさを感じながら、それでも僕は知っている事を朝倉さんに教えて上げた。 話が佐々木さんに差し掛かったぐらいのところで、チャイムが鳴り、休憩時間が終了してしまうと、 「ふうん、なるほどね。じゃあ、続きは放課後に聞かせてもらえるかな?」 放課後にって言っていたけど、朝倉さんの姿は授業終了後にはもう居なくなってしまった。 キョンは最近、涼宮さんと何か怪しい事をやっているらしく、ほとんど一緒には帰らなくなっている。 谷口と2人で適当な世間話をしながら帰路につき、彼と別れてからちょっと進んだところで、 「国木田君」 名前を呼ばれて振り返ると、そこに居たのは驚く事に朝倉さんだった。 「じゃあ、話の続きを聞かせてもらえるかな?」 もしかして、僕が1人になるのを待っていたんですか? 「ええ、ここからなら誰にも邪魔されずに、話を聞けるでしょう?」 クラス1の美少女が僕の為に待っていてくれるなんて、嬉しく感じても無理はないよね。 そのまま朝倉さんに促されるままに、中学時代のキョンのことを話し続けた。 朝倉さんは佐々木さんの事に興味を持った様子で、その話になるとチャームポイントの眉毛がぴくぴくと動く。 僕は自分の顔が少し赤くなるのを感じた。 あっという間に時間が過ぎて、名残惜しい事に、やがて僕の家の前に到着してしまうと、 「今日はありがとう。じゃあ、また明日ね」 そう言って朝倉さんは帰っていってしまった。彼女の家は何所にあるんだろう、僕の家よりも更にこの先にあるんだろうか。 その日からは、ほぼ毎日、学校からの帰り道で朝倉さんと話をする様になっていた。 朝倉さんは本当にキョンのことを、何でも知りたいらしく、僕はほとんど知ってる事の全てを彼女に話してしまっていた。 朝倉さんの話し方は洗練されていて、しかも聞き上手だから、まるですらすらと僕の知っている事が、彼女に引き出されていくような感覚さえ受けていた。 「あら、そんな事はないわ。あなたの説明のしかたも、とっても上手よ。クラスの他の人よりも、格段に情報が集まってくるわ」 朝倉さんは嬉しそうな顔で、僕の事をそうやって褒めてくれた。 でも、僕には1つの懸案事項があった。 キョンの事について話す事が無くなってしまったら、もうこの楽しい時間は終わってしまうのだろうか。 「うーん、そうね。そうなったら、もう…」 そこまで言ってから、朝倉さんは僕の顔をちらりと見て、 「じゃあ、男の子達の間で話題になっている事を、色々教えてくれないかな。女の子達の間で話題になっている事は、 もうほとんど何もかも伝わってくるんだけどね。男の子の方は、なかなか集まらないから」 そう言って眩しいぐらいの笑顔を見せた。 その笑顔をこれからも見たかった僕は、それからは進んでクラス内のゴシップや噂話を集めるようになった。 そんなこんなで毎日が過ぎたある日の事。 いつもの様に、朝倉さんと僕の家の前で別れた後に、 「みみみ見たぞおぉ。国木~田」 あ、谷口。 「どうも最近、帰り道でそわそわしていると思ったら、こんな事をやっていたとわねえぇ」 谷口はニヤニヤ笑いを浮かべながら、 「しかもあの朝倉涼子と!」 そんな、別に、僕は帰り道に一緒に話をしてるだけだよ。 「もう、告白はしたのか?」 おいおい、待ってよ、そんなんじゃないんだ。それに、朝倉さんは僕じゃなく、キョ…。 「俺の過去の経験から言うとだな…早めに言っとくべきだぞ。朝倉はAAランク+の極上品だ。 言い寄って来る男は数知れず現れるだろう。ぼやぼやしていると、横からかっさらわれちゃうぞ」 谷口の経験上か。あてになるのかね。 「ま、俺からのアドバイスはここまでだ。あとはしっかりやりたまえ!若者よ!」 谷口は「青春いいじゃないかぁ~」とかなんとか歌いながら、去っていった。 まったく…谷口の奴。 明けて翌日。 日課になっている朝倉さんとのおしゃべりも、僕の家が見えてきて、終了時刻が近くなってきた頃に、 なんとなく、昨日の谷口の言葉が頭に浮かんできた。 「ぼやぼやしていると、横からかっさらわれちゃうぞ」 僕はダメ元だという気持ちで、朝倉さんに話しかけてみることにした。 ねえ、明日は帰り道だけじゃなく、どこかの喫茶店にでも入ってそこで話をしてみませんか? よかったら…だけど。 僕がそう言うと、朝倉さんは眉毛をピクリと動かして、 「あら、それってデートのお誘い?」 いえ、あの、その。 「ごめんね、それ無理」 朝倉さんは、やや小首を傾げた表情で、 「帰り際に言おうと思っていたんだけど、実は明日はとても重要な仕事があるの。 だから、帰り道でのおしゃべりも、明日はお休み」 ああ、もしかして、僕が余計な提案をしてしまったから……。 僕のその動揺が、顔に出てしまっていたのだろう。朝倉さんは僕の瞳を見つめながら、 「でも、その仕事が無事成功に終わったら、その時は一緒に行ってあげてもいいわ」 本当に? 「小指を出して」 朝倉さんは僕の小指と自分の小指を触れ合わせ、 小指でギュッと絡ませた。 「約束したからね。じゃあ、また」 去っていく朝倉さんに手を振りながら、いまごろ僕は気がついていた。 僕は今、初めて朝倉さんと手を触れ合ったんだ、と。 次の日、谷口と連れ立って、帰宅する途中の事だった。 「ああ、すまん。俺、カバンを教室に忘れてきてしまったよ」 そそっかしいな、谷口は。 「うっせ。じゃあ、俺は取りに戻るから、お前は先に帰っててくれ」 ああ、僕も付き合おうか? 「無理すんな。あの娘が待ってんだろ?」 谷口はニヤリと笑いながら、学校へと引き返していった。 まあ、今日は朝倉さんはいないんだけどね。 久しぶりに1人で帰り道を歩いていると、ふと、学校の方が気になった。 何故だか解らないが、酷く胸騒ぎがする。 朝倉さんと会話しながら帰る事に慣れてしまって、1人だと不安になっているんだろうか? 朝倉さんは今日、重要な仕事があると言っていた。 仕事ってなんなのだろう。なにか、アルバイトでもやっているのかな。 言い様の無い不安は、ますます募るばかりで、一向に治まらない。 おかしい、そんな事を感じる理由なんか、無いはずだ。 やっぱり谷口を追いかけて、学校の様子を見てきた方がいいのだろうか? …僕は頭を軽くぶんぶんと振り、嫌な気持ちを追い払った。 まあいいさ。明日になったらまた会えるんだし。 今日は家に帰ったら、一緒に行く喫茶店の情報でも調べておこう。朝倉さんが、気に入りそうな所をね。 次の日、僕はいつもの様に坂道を登って、学校へと向かっていた。 生まれつき、平均的な男子生徒よりも体格に恵まれていない僕にとって、この坂道は結構堪える道のりではある。 ぶつぶつ文句を言いながらも、楽々と登っていく、谷口やキョンが羨ましい。 けど今日は、なんとなくだけど、足取りも軽く感じられる。 なんといっても、今日の放課後は、朝倉さんとの約束があるんだからね。 その異変は、教室の中に入った時から始まっていた。 あれ? いつもは誰よりも早く登校してきている、朝倉さんの席に、誰も座っていない。 めずらしいな。遅れてくるんだろうか。 だけど、朝のチャイムが鳴っても朝倉さんは姿を見せず、その場所は空席のままだった。 周りにいる女子も、ヒソヒソと不安がって話をしている。 風邪でもひいたんだろうか。昨日はいつもと変わらないように見えたんだけどな。 やがて担任の岡部先生がやってきて、驚愕の事実を告げた。 「あー、朝倉君だが、お父さんの仕事の都合でー、急な事だと先生も思う。転校することになった」 え…。 「いや、先生も今朝聞いて驚いた。なんでも外国に行くらしく、昨日のうちに出立したそうだ」 途端に、クラス中が大騒ぎになった。 「えーっ?」「なんでーっ?」 思考停止状態というのはこういう事を言うんだろうね、と、僕は客観的に自分を分析している事に驚いた。 しばらく頭の中が真っ白になって、何も考えられなかった後、一気にいろんなことが頭に湧いて出てきた。 朝倉さんに一体なにがあったのだろう。 あの約束はなんだったのだろう。 喫茶店はどうなってしまうんだろう。 昨日感じた、あの言い様の無い不安と胸騒ぎは何だったのだろう。 もしも、あの時学校に戻っていたら、何か変えることが出来たんだろうか。いや、そう思う根拠なんか無い。無いんだけど… 「キョン、これは事件だわ!おもしろい事になってきたわよ!」 良く通る涼宮さんの声が、耳に響いてきた。 おもしろい?なにが? ああ、そうか。おもしろいかもしれないな。 何時間もかけて、ネットと地図とで喫茶店の場所なんかを調べていた、僕の姿は、 あまりにも無意味で、滑稽じゃないか。 ・・・エピローグ・・・ 学校の文化祭、映画出演の報酬として貰ったヤキソバの割引券を使用して、僕と谷口とキョンとで、 粉っぽいヤキソバを食べ終わった後の事だった。 谷口が軽薄そうな笑みを浮かべながら、 「滅多にない、絶好の機会だぜ、ナンパしようぜナンパッパ!」 すかさずキョンが、 「遠慮しとく、2人でやってくれ」 僕もやめておくよ。成功したら、後でその娘の友達でも紹介してくれないかな。 じゃ、また後でね。 僕は谷口を後に残して、その場から立ち去る事にした。 しばらく一人で歩いてから、壁際で立ち止まり、ふと、自分の小指を見つめる。 「でも、その仕事が無事成功に終わったら、その時は一緒に行ってあげてもいいわ」 あの時小指に感じた感触は、今でも思い出す事が出来る。 だから、朝倉さんの仕事が成功に終わる日が来る事を、もう少し待っていてもいいんじゃないか。 僕はそんな気持ちだったのさ。 おわり(多分消失編に続く)
https://w.atwiki.jp/outerzone/pages/33.html
「朝倉さーん!」 散り散りに下校しようとするNPC達が行き交う玄関フロアの中で、 同級生に当たる女子NPCの連中に呼ばれ、朝倉と呼ばれた少女が振り向いた。 少女の名は“朝倉涼子”。この世界で行われる聖杯戦争に参加するマスターである。 ここはパラディウム・シティに設立された教育・研究機関「アカデミー」。 彼女に与えられたロールは学生であり、今のところは学業に準じている。 「この後、みんなでカラオケに行こうと思うんだけど、朝倉さんも一緒に行かない?」 「ごめんなさい。私はこれからちょっと用事があるから……。」 「――おう、やっと終わったみたいだな。」 フォーマルな服装をした青年が涼子の下へとやってきて、声をかけた。 彼も相当なイケメンな部類だけあり、ワイルドさ溢れる姿に女子NPC達も興味を示した。 「もしかしてこの人、朝倉さんの彼氏?」 「……ええ、まぁ、そういうとこ。」 青年も涼子も青色をイメージカラーとしているだけあり、並べてみるとお似合いのカップルにも見えた。 NPCも彼氏であることがわかると、それ以上のことは言わなかった。 「じ、じゃあ、お邪魔しない内に私達ももう帰るね。また明日~。」 「ええ、また明日ね。」 涼子は聖杯戦争に参加する前は別の学校へ通っていたこともあるので、 慣れるのは時間は要してはいなかった。 さらに持ち前の社交性もあってか、ここアカデミーでも早々にクラスに順応し、 異性問わずに高い人気を見せている。 笑顔で先に帰るNPC達を見送ると涼子は傍らにいる青年に話しかけた。 「もう……もうちょっと待ってくれても良かったのに。」 「なんだ?気でも悪くしたか?」 「悪くしてないけれども……まぁ、いいわ。」 涼子は切り替えるように話を振ると、青年は聖杯戦争に関することを言及した。 彼は涼子と契約したサーヴァントである。クラスはランサー。真名はクー・フーリン。 “クランの猛犬”で知られるケルト神話の大英雄。その若かりし頃の姿が彼なのだ。 「それじゃあ、早速今から用事を済ましに行こうかしら。」 「戦いに行くのかい?まっ、即断即決は良いことだけどな。」 涼子なりの情報収集能力によりマスターについて探りを入れていた。もちろん、攻めるためにだが。 この主従の方針はとにかく打って出ることにある。涼子が“とりあえずやってみる”という主義であり、ランサーもその点は特に異論はなかった。 優先的対象は現時点の活動拠点たるアカデミーにいる他陣営からである。 「しかし、カラオケか。そいつも悪くないねぇ。暇があるなら行ってみてえもんだな。」 「ランサー?今は、聖杯戦争中よ。流石にそんな余裕もないんじゃないかしら? 「まぁ、そういいなさんなっての。聖杯戦争って言ったところでどうせ今は開始してもいねえわけだし、余裕なんていくらでもあるだろ。」 「うーん……。どうかしら?まぁ、気が向いたら気分転換に考えてみようかしら。」 涼子としてはあまり賛成していなかったが、ランサーとしてはどこか乗り気であった。 そのまま会話を弾ませながらも玄関とは異なる方角へ向かうと。中庭を通じて別の棟を目指していった。 「…………留守ね。」 「まぁ、そんな上手いこといかないわな。」 研究室の前まで来たが、間の悪いことに今日は不在のようで、どうにも当てが外れてしまった。 ランサーはどこか笑いながら、涼子を慰める。 現段階で突き止めた情報から、“遠坂凛”なる人物がいることが判明した。 凛は研究室を与えられているほどのエリートらしく、涼子にとっても近づけやすい人物に当たる。 「また、出直して来るか?」 「……とりあえず、手紙でも置いておいていくわ。それで何の反応もなかったら、また来ましょう。」 デジタルな世界にしてはアナログな類の手段だが、敢えて手紙で伝えることとした。 メールといったネットを介した連絡になるとセキュリティに引っ掛かるため、この方が楽な点もあったわけだ。 「やっぱり、早かったかもしれないわね……。」 今回は諦めることにした。まだ開始前だけあるので、涼子も流石に気が早かったかもしれないとも思っている。 朝倉涼子は「情報」という概念の扱いに対しては常人よりも優れていた感覚を持っている。 それ故に社会上の履歴や行動から、マスターの役割という社会情報を割り出すぐらいなら容易なことであった。 しかし、情報というのは源が無ければ発生しないし、いくらなんでも行動を完全に把握していられるほどのものではない。 また、この世界のセキュリティというのも侮れず、涼子でも情報規制を突破できるレベルではないためか、深い情報を盗み出すことできなかった。 涼子達はそのまま踵を返すと、研究室を後にした。 互いに廊下を通じて人気のないオープンスペースにまで来ると、自販機から 紙コップタイプのドリンクを購入して、テーブルに座わって休憩することとした。 「そういえば、ランサーはどんな目的があって聖杯戦争に参加したの?」 涼子は購入したウーロン茶を飲むととりあえずなんでもいいから話題を振ろうと、ランサーの目的について切り出した。 当然、サーヴァントも意思を持つ存在なので、目的なしに召喚に応じるわけがない。 聴かなくとも別に問題がなかったので、初召喚時からしばらく経過した今まで聴かなかった。 「あん?なんだ藪から棒に。」 「私達、そこまで話あった仲でもないじゃない?これを機にランサーのことについても聴いておきたいの。 別に深い話まで知りたいわけじゃないけども、目的ぐらいは共有してもいいじゃない?」 涼子としてもクー・フーリンがどんな人物かは知らなかった。 一般的な日本の女学生にとってケルト神話はまず無縁だ。涼子もクー・フーリンについては聖杯戦争で初めて知った。 無論、端末を通じてネットで調べて概要を知るぐらいのことはしているが、 重要なのは物語のクー・フーリンではなく、目の前にいるクー・フーリンだ。 聴かなくとも別に進行に支障が来す相手でもなかったので、初召喚時からしばらく経過した今まで 聴かなかったが、ちょうど今なら聴いてもいいだろうと思った。 「そうさな。そりゃあ、強いて言うなら死力を尽くした戦いってところだな。 呼ばれた以上、全力で戦えなけりゃあ来た甲斐がねえからな。」 ランサーは“戦いである”と答えた。 彼ならずケルトの英雄というのは戦いを好む気質がある。召喚に応じた目的もそうした戦いに基づいての現界であった。 涼子はランサーの好戦的な性質を理解して、今後の意向も考慮することとした。 「とはいえ、サーヴァントとしてアンタの意向を優先するよ。よほどの命令でない限りは従うつもりだ。」 「それに俺としても、アンタみたいなマスターの下で戦うのは悪くはないからな。 一見すると柔に見えるが、強情で肝が据わっているときている。美人なのも申し分ない。」 ランサーは表向きは荒っぽいが、根は正直者で忠義に厚い人物だ。 よほど気に食わない命令でない限りはサーヴァントとして従う意向を示した。 それに加え、ランサーとしては涼子は好みの範疇に入るらしく、男性的な面からしても満更でもない様子だった。 「そう?それは嬉しいわね。じゃあ、ランサーとしてはもしも聖杯が手に入ったら、何かしたいこととかそういうものはないわけ?」 「聖杯ねぇ。そこまで興味はないが、手に入れてから考えるかね。」 聖杯について問うと、ランサーはそれに対して二の次三の次であると返した。 聖杯の存在に何と思うこともないが、大きな期待を抱いているわけではない。 運よく勝ち残って手に入ったら、その時はその時。それぐらいの認識であった。 「そういう涼子としては何が目的なんだ?何もなしにここまでやろうとしているわけじゃねぇだろ?」 「うん。私の目的は、もちろん聖杯の入手よ。でも、別に願いはかけるわけじゃないの。 聖杯の情報創造能力を解析して、上にいる人に送ることが使命といったほうがいいかしら。」 「使命?誰かアンタの上に構えている奴がいるってことか?」 「ええ、そうなの。私自身が世界を創りたいとか、そういうわけじゃないのだけども、 上にいる人はそれを必要としているの。だから、得るために戦うのが私の目的ね。」 ランサーは“なるほどな”と頷いた。 涼子はあくまで使者として、聖杯の機能自体を観測対象と捉えている。 聖杯は万人から見れば「願望器」に違いないが、そのものを概括的に指すなら一つの「機械」であることも違わない。 涼子の目的もまた解析して情報を得るために利用することであった。 「まぁ、アンタにもそれなりの事情があるってことかね……。 なに、深くは突っ込まねえよ。勝ったら聖杯はアンタに捧げる。俺がやることはただそれだけだ。」 「ありがとうね、ランサー。……さて、そろそろ行きましょうか。」 ランサーとしても涼子の事情に深く首を突っ込む気はない。 一線を引くのも人付き合いにとっては必要なことだとわかっている。 すべきことは勝って聖杯をマスターに捧げることなのだとランサーも察した。 涼子達は飲み干した紙コップをゴミ箱に捨てると、今日は早々に帰ることにした。 ◇ ◇ ◇ 実の所、“朝倉涼子”は普通の少女ではない。 『対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース』。 略称「TFEI端末」。銀河を統括する情報生命体『情報統合思念体』の手で製造された有機アンドロイドの一種。 有機生命体(即ち人類を指す)と接触し、それによって得た有益な情報を上層部を送るための端末が彼女の正体である。 彼女が製造されたことには理由があった。 統合思念体は高度な知性こそ有しているのだが、力が及ぶのは既存として成立されている情報に限られている。 無から情報を創造する力。即ち、自律進化に対して希望的観測に見出せず、未だ模索している状況下にある。 そこで、“涼宮ハルヒ”なる観測対象から自律進化の可能性を秘めた情報が得られるという推測の基に、製造されたということだ。 今回、仮想空間へと招待された涼子が観測対象に置く聖杯もまたイレギュラーながら、自律進化の可能性があると考えられている。 これにより聖杯から発生する情報創造を下に、自律進化の糸口を掴むことが涼子の真の目的というわけだ。 だが、当の統合思念体にとってはあまりに希望的な観測がされていない考えも否めない。 イレギュラーな案件である聖杯は、統合思念体側にとっても未知数で、また参加以外で聖杯戦争へは干渉できないため不明だからだ。 さらに入手するためには不確定的な障害も多く、朝倉涼子の生存確率は極めて低い数値を想定されている。 ただ、涼子としてはそれでも構わなかった。 “やらなくて後悔するよりも、やって後悔した方がいい”。 それが朝倉涼子にとっての真意である以上、迷うことなどない。 聖杯は獲る。他の有機生命体のことなど構わず、私達のために使わせてもらう。 【クラス】 ランサー 【真名】 クー・フーリン〔プロトタイプ〕@Fate/Prototype 【出典】 Fate/Prototype Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ Fate/Grand Order 【性別】 男性 【パラメーター】 筋力A 耐久C 敏捷A+ 魔力B 幸運D 宝具B 【属性】 秩序・中庸 【クラススキル】 対魔力:C ランサーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。 魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 【保有スキル】 神性:B その体に神霊適性を持つかどうか、神性属性があるかないかの判定。 ルーン魔術:B スカサハから与えられた北欧の魔術刻印、ルーンの所持。 ルーンを使い分けることにより、強力かつ多様な効果を使いこなす。 攻撃以外で主に使用するのは対魔力スキル相当の効果、千里眼スキル相当の効果、パラメーターを上昇させる効果、等。 これらはすべて一時的なものであり、同時複数の使用はできない。 矢避けの加護:B 飛び道具に対する防御スキル。ランサーのそれは先天的なもの。 攻撃が投擲タイプであるなら、使い手を視界に捉えた状態であれば余程のレベルでないかぎりランサーに対しては通じない。 獣殺し:B+ 魔獣や野生生物に対する特効。魔獣の性質をよく知るクー・フーリンは、獣の殺し方を知っている。 【宝具】 『穿ちの朱槍(ゲイボルグ)』 ランク:B/B+ 種別:対人/対軍宝具 レンジ:2~4/5~40 最大補足:1人/50人 対人刺突、対軍投擲の二種の攻撃法を持つ宝具。別のクー・フーリンが持つ『刺し穿つ死棘の槍』と変わってないとされている。 対人刺突では、槍の持つ因果逆転の呪いにより、真名解放すると「心臓に槍が命中した」という 結果をつくってから「槍を放つ」という原因をもたらし、必殺必中の一撃を可能とする。 なお、因果操作の判定を回避しても、槍を完全に避けなければ負傷と回復阻害の呪いを残される。 これは因果を逆転させる「原因の槍」であるため、 余程の幸運が無い限りはこの世にこの槍が存在する限り、これによる傷を癒す事は出来ないからである。 対軍投擲では、威力を重視して炸裂弾のように一軍を吹き飛ばすものとなっている。 必中効果こそ健在であるものの、運命干渉といったものまでは無いため、心臓に当たるわけではない模様。 【weapon】 「急造の槍」 ゲイボルグとは別に通常武器として使用している槍。 元は何処かで行われた聖杯戦争にて、宝具を切り札として残すために用意されたものであるが、現在でも数本を所有している。 サーヴァント用に作った武装としてはなかなかの耐久度を持つ。 【人物背景】 クー・フーリン。ケルト、アルスター伝説における無双の大英雄。 太陽神ルーの血を受けた『光の御子』であり、クランの猟犬の異名を持つ。 影の国の女王スカサハの下で鍛錬を積み、数々の魔術と体術を会得し、授かった魔槍ゲイ・ボルクで幾多の武勲を残した。 同じ真名で召喚されることのあるランサーとは同一人物であるが――肉体も精神もこちらの方が年若い。 推定年齢は20歳程で、時期はアルスター王国とコナハト王国との間に起きた7年にわたる戦争を指す「クーリーの牛争い」の最中に相当するという。 性格は荒っぽいが、根は正義寄りで筋は通すなど、さっぱりして気持ちのいい人物。 ただ、精神性についてはこちらの方が若者然としており、世の理不尽、善悪の等価値さなどを飲み込めるほど、大人ではない。 そうした精神性や経験力の違いが表れているのか、こちらでは「戦闘続行」や「仕切り直し」を持たないなど差異が見られる。 【サーヴァントとしての願い】 死力を尽くしての戦い。聖杯はマスターにでも捧げる。 【方針】 よほど気に食わない命令でない限りはサーヴァントとして従う。 【把握媒体】 小説「Fate/Prototype」およびゲーム「Fate/Grand Order」などをご参照ください。 FGOに関しては動画サイトでもプレイ動画が上がっております。 【マスター】 朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱 【出典】 涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ 【マスターとしての願い】 聖杯を手に入れて情報創造能力を観測する。 【能力・技能】 『対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース』 宇宙に広がる情報系の海より発生した情報統合思念体によって製造された人型の端末。通称「TFEI端末」。 個々人で意思を持っているが、統合思念体側の意志に基づいて動いているものとされている。 複数に分かれている意志の内、涼子はその内「急進派」に属してる。 優れた科学的情報理解力を有し、周囲の環境を情報として解析し、 それを基に干渉・改変する情報操作能力などを持つ。 例に挙げると、自身の制御下に置く異空間の展開や周囲の既製物体を刃物といったもの変化して用いる攻撃、 一定範囲に張るバリア、対象の固定などが見られる。 また、その性質からかコンピュータといった情報媒体との高い親和性も持ち合わせており、 (他個体の長門有希によるものであるが)ハッキングを通じたプログラムの修正によって、敵のチートをブロックする描写もある。 朝倉涼子の場合、元が長門有希のバックアップ要員であるからか、プログラムやセキュリティの一つ一つが甘いという。 【weapon】 サバイバルナイフ:殺害行為へ及んだ際に使用したもの。 【人物背景】 県立北高校1年5組のクラス委員長を努めていた少女。 その実は特異点「涼宮ハルヒ」を観測するために送り込まれた端末の一体。他個体である長門有希のバックアップ要員として活動していた。 素行良好かつ物腰柔らかな人物で、周囲の人物によく世話焼く様子が見られるなど面倒見の良い優等生。 誰にでも分け隔たりなく接するなど社交的な面もあり、同校内のクラスでは男女を問わず人気や人望も高かった。 一方で、有機生命体とは価値観が違うため、人並みの感情が理解できず、死の恐怖を抱く対象を目の前にして冷淡に対応するなど人間性が欠如している面もある。 急進派の意向に則って関係者のキョンの殺害を企て、涼宮ハルヒが起こす情報爆発を観測としようとしたものの、異常を知覚した長門により妨害。戦闘の末に情報結合解除されると、消滅してしまった。 その後は、長門の情報操作によって「急遽父親の都合でカナダへ引っ越した」として処理され、早々に退場となった。 【方針】 積極的に他陣営を攻めていく。一先ずは身近な敵を倒すため、役割に準拠しつつ活動するが、戦況によっては放棄する。 同盟については考えていないが、総合的なメリット次第で一時的に組むつもり。 【ロール】 アカデミーに在籍する生徒。 【把握媒体】 小説1巻・アニメ1~4話などをご参照ください。 ※登場期間が短いキャラになりますが、その後も「涼宮ハルヒの消失」(小説・映画など)及びゲーム「涼宮ハルヒの追走」などにも登場しておりますので、そちらもお薦め致します。「追走」は動画サイトなどでプレイ動画が上がっているかと思います。
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1045.html
前ページ次ページ涼宮ハルヒクロスの作品集 1 2月14日 それは乙女が想いを解き放ち愛する人の為にチョコを渡す日。 今回は数日前のある時間をご紹介しましょう。 ある者は、 〇〇〇「2月14日には、私の特製チョコを食べてもろうて、 シンを私の虜にしたるで~!」 と野望を語る若き部隊長。 またある者は、 〇〇〇〇「〇、〇〇〇がシンに渡すついで……、そう!ついでに渡すんだ! だからこれは本命じゃない、本命じゃない……。」 と主を利用して想いを渡そうとしている赤ロリ副隊長 またある者は、 〇〇〇〇〇「シンパパ、〇〇〇〇〇のチョコ食べてくれるかな?」〇〇〇「大丈夫、シンはちゃんと食べてくれるよ。 (私の本命チョコと一緒にね。)」 〇〇〇〇「そうだよ、そうだよ。 シンなら私[達]のチョコなら喜んで食べてくれるよ。」 と娘と仲良くチョコを作るママ達。 またある者は、 〇〇〇「バレンタインとは、 タダでチョコが食べられる日ですか……。(ジュルリ)」 〇〇〇〇「そうです、〇〇〇〇。 特に主に渡されるチョコは、格別においしいでしょうから、 〇〇〇〇は主に渡されるチョコを好きなだけ食べて下さい。 そして私達のチョコは…、」 〇〇〇「解ってます。 私達のチョコはマスターに食べてもらうです!」 と策略を練る二人の擬人 そして……。 ぞくっ、 朝倉「どうしたの?シン君。 さっきからずっと震えてるわよ?」 シン「なんか、さっきから嫌な予感がし続けてるんだ……。」 朝倉「そうなの? でもシン君、安心して。 貴方の事は私が絶対に守るから。 だからシン君は心配しなくても良いわ。」 シン「……それって、 普通は俺が涼子に言うセリフなんだけどな。(笑)」 朝倉「そうね、(笑) なら、私が危なくなったらシン君が私を助けてくれる?」 シン「……そうだな。 その時が来たら、な。」 と、言って二人はラブラブな雰囲気を出している。 それは[乙女の聖戦]と言う嵐の前の静けさだった。 〇〇「……どうやら、この[バレンタイン]には、 女性は義理と本命二つのチョコを作って日頃お世話になっている男性に配らないといけないのですか……。 本命に時間を賭けたいですし、義理チョコはコンビニにでも買いにいきましょう。 それでは、これから忙しくなりますので今日はここまでにしておきますね。 では皆さん、また会いましょう。」 こうして、様々な想いと策略を絡ませバレンタインへと続く…。 2 【バレンタインIf紅き乙女編】 ~2月14日朝~ シンはお腹の辺りに違和感を感じ目を醒ます。 すると其処には、 ヴィヴィオ「シンパパ!ヴィヴィオね、 シンパパに食べてほしくて、頑張って作ったの!」 そう言いながら嬉しそうにシンのお腹の上を飛び跳ねているヴィヴィオがいた。 シンは苦笑しながら、 シン「ヴィヴィオ、ありがとな。」 とヴィヴィオからチョコを受け取る。 するとヴィヴィオは、 ヴィヴィオ「わ~い!シンパパがヴィヴィオのホンメイチョコを貰ってくれた~!」 と大きな声を出しながら部屋から出ていった。 シン「……まぁ、ヴィヴィオの事だから本命チョコの意味も良く解っていないだろうし、 まさかあれを聞いて勘違いする奴なんて…[なんやて~!]…いた!」 かなり離れていたがyagamiの声が聞こえた。 yagamiはヴィヴィオの言った発言の真実を確かめるのと自分のチョコを渡しに間違いなくシンの元に来る! シン「yagami部隊長や他の皆が来る前に部屋から逃げないと俺の明日は無い!」 こうしてシンの2月14日が始まった。 ~2月14日昼~ あれから数時間、シンは何故か普通に訓練をしていた。 あの時シンは、部屋から逃げた後すぐにティアナとスバルに出会い、 今日は色々忙しいから休むと言ったが、スバルは話を聞かず自主トレをする為に外に連れ出され、 それから訓練室に連れていかれる。 ~シンSide~ ヴィータ副隊長の様子が変だ。 何時も俺達を厳しくも暖かく指導してくれる副隊長が今日は大人しく、 更には何故か俺の方をちらちら視ていて俺と目があうと顔を赤くして目を反らす。 気のせいと視線を反らすとまた視てくる。 ……俺、副隊長を怒らせる様な事やったか?。 そう思いながらも訓練中な事を思い出し集中する。 ~ヴィータSide~ 遂にこの日が来た。 なのは達が用事で休んでるとか私が代わりに新人達を鍛えるとか色々考えなきゃいけない事が沢山あるのに、 私はさっきからシンが気になって仕方がない。 少し動いて視る、少し動いて視ると私はシンを気にしながら動いている。 時々目をあわせるけど恥ずかしくなって慌てて目を反らす。 やばい、気づかれたか……? そう思いシンを視るけどシンは訓練に集中しているので安心した。 ……取り敢えず、はやてと一緒に渡そうと持ってきていたチョコを私は、はやてには悪いけど一人で渡す事にする。 ~ナレーターSide~ 訓練が終わりシン達はシャワー室に向かおうとした時、 ヴィータ「あ~、シン。 ちょっと話があるから残ってくれないか?」 とヴィータ副隊長が言ってきた。 シン「はい、分かりました。 …わりぃな、スバル達は先にシャワーを浴びて食事に行ってくれ。」 スバル「うん判った。 なるべく早くね~。」 ティアナ「(まさか副隊長まで……まさかね。 ヴィータ副隊長がそんな訳無い筈よ?)早くしなさいよ?」 そう言ってティアナ達はシャワーを浴びに訓練室から出ていく。 その結果二人っきりになる。 シン「……それで、何の様ですか?副隊長。」 まずは要件を聞こうと話しかけるシンに、 ヴィータ「[体をもじもじさせながら]実はな、……お前に渡したい物が、……あるんだ。」 と普段とは違い女の子っぽい仕草をしながら話すヴィータ。 少し深呼吸をした後、 ヴィータ「もっ、もし良かったら、……これを貰ってくれ!」 とシンの前にチョコ(らしき物)を差し出す。 シン「……え?こ、これって……、 副隊長の……手作り、ですか……?」 恐る恐る尋ねる様に聞いてくるシンに、 ヴィータ「見た目は悪いけど、味はギガ美味いから安心してくれ!」 と慌てて話すヴィータ。 シン「……。」 只何も言わずチョコを視ているシン。 心配になるヴィータ、 ヴィータ「もしかして……、要らないのか? ……そうだよな、こんな見た目が悪いチョコなんか要らないよな……。 悪かっ、[それは違う!]……ってシン?」 シン「俺、その……、 ヴィータ副隊長からチョコ貰えたのが信じられなくて驚いていたんですよ。」 そう言ってチョコを受け取るシン。 ヴィータ「あ……。」 シン「ヴィータ副隊長の気持ち、しっかり頂きました。 ……それじゃ、失礼します!」 顔を赤くして訓練室から出ていくシン。 シンが訓練室から出て暫くして、 ヴィータ「…………………………[プシュ~バタッ!]。」 身体から煙を出して倒れたヴィータの姿があった。 ~それから~ あのバレンタインから色々あった。 涼子と喜緑さんがこの世界から消えたり、他の皆がそれぞれの世界へと戻ったりと本当に色々あった。 俺も自分の世界に帰る事が出来たが、俺は断った。 何故なら、俺にはこの世界で大切な人が居る。 前に涼子が俺に言っていた「貴方だけの幸せ」を俺は見つけたのだから……。 ヴィータ「シン!これからパフェ食いに行こうぜ!」 シン「またか? この前も食いに行ったじゃないか?」 ヴィータ「良いじゃねぇーか! ……だってよ、……シンと一緒だとパフェがもっと美味くなるからな!」 そう言って笑いながら、彼女は俺を引っ張って行く。 多分それはこれからもずっと変わらないんだろう。 ~終わり~ ~オマケ~ ティニー「この話は、Ifの世界のお話しなので勘違いしないで下さい。 この作品は作者が「ヴィータのヒロインエンドを書きたい」と申して書かれた作品です。 何故、なれ染めと結末だけしか描かれていないのかと言うと、 その間のお話しは皆さんのご想像にお任せしたいからです。 ぶっちゃけ、ヴィータの話はあくまでIfなのでこれだけ書けたら儲けな気持ちなので。 そろそろお別れですね。 これからもご支援宜しくお願いします。 それではティニーでした。 さようなら。」 2 【復活の朝倉さん?ネタ】 ~シンの部屋~ あちゃくら「…。」 その【小さい】身体を震わせながら彼女は叫ぶ。 あちゃくら「ど~して、久しぶりの登場なのにこの姿なんですか~!(怒)」 シン「どっ、どうしたんだ?そんなに怒って。」 きみどり「そうですよ?あまりに驚いて、 思わず破裂してしまいそうでしたよ。」 突然怒りだしたあちゃくらさんを心配するシンときみどりさんに、 あちゃくら「前回の話しの流れから言って、 ここは私じゃなくて朝倉涼子の復活でしょ~が~! それなのに何で私はあちゃくらになってるんですか~!」 と半ばアウト気味の暴言を吐くあちゃくらさん。 シン「お、落ち着けって。 それに、別にいいじゃないか。 どんな姿でも涼子である事に変わりはないんだし。」 きみどり「そうですよ。例え身体の大きさは違っても、 皆さんは貴女を朝倉涼子だって認識してくれますから。」 あちゃくら「シン君…きみどりさん…。(涙)」 二人の慰めに涙を流がすあちゃくらさん。 シン「それにしても、今日の喜緑さんはまるで別人みたいですね。」 きみどり「そう見えますか? それなら、何時もの私は貴方からどう見られているのか、 教えて頂けないでしょうか?」 きみどりさんからの質問にシンは悩みながら、 シン「何時もの喜緑さん、ですか? う~ん…、一言で言うなら、 ??「一言で言うなら?(黒笑)」 …えっ?[顔を青ざめる]さっ、さっきまで居たきみどりさんは!?」 喜緑「アスカさん、そんな【些細な事】はどうでも良いじゃないですか。 それよりも、私を一言で言うなら何なのか、 とても気になるので教えて頂けないでしょうか?…ええ。(黒笑)」 その手に黄緑色をした[何か]を力強く握りながら、 シンの答えを待つ喜緑さん。 と、そこに、 朝倉「まぁまぁ、喜緑さん。 そんなに威圧をかけたら、いくらシン君でも答えられないと思うわよ?」 そこには元の姿に戻った朝倉涼子が喜緑さんを諌める様に立っていた。 シン「…涼子、元に戻ったのか?」 朝倉「ええ、どうやらそうみたいね。」 そう言って、シンの隣に座る。 シン「それにしても、何で涼子は小さくなってたんだろうな?」 朝倉「さぁ?私にも良く解らないわ。 けど、私には、シン君が私の姿が変わっても変わらないって言ってくれた事の方が大事よ。(微笑)」 そう言ってシンに微笑む涼子。 シンは照れているのか涼子から顔を逸らす。 その姿を見ながら、涼子はこんな事で楽しんでいる自分も悪くないと思ってた。 それと、こんな事が出来る日々が長く続いて欲しいとも。 ~オマケ~ 喜緑「…色々と無視された事について色々と言いたい事がありますけど、 今回は久しぶりに出番を頂けました事ですし、 この位にしておきましょう。」 きみどり「あの~、出来たら私の身体を元に戻して頂けだけな… 喜緑「何か言いました?(黒笑)」 …いえ、何も。」 この後にどの様なやり取りがあったかは不明だが、 この日から、喜緑さんの部屋に新しい住人が出来た様です。 3 【復活の朝倉さん?ネタ】 ~シンの部屋~ あちゃくら「…。」 その【小さい】身体を震わせながら彼女は叫ぶ。 あちゃくら「ど~して、久しぶりの登場なのにこの姿なんですか~!(怒)」 シン「どっ、どうしたんだ?そんなに怒って。」 きみどり「そうですよ?あまりに驚いて、 思わず破裂してしまいそうでしたよ。」 突然怒りだしたあちゃくらさんを心配するシンときみどりさんに、 あちゃくら「前回の話しの流れから言って、 ここは私じゃなくて朝倉涼子の復活でしょ~が~! それなのに何で私はあちゃくらになってるんですか~!」 と半ばアウト気味の暴言を吐くあちゃくらさん。 シン「お、落ち着けって。 それに、別にいいじゃないか。 どんな姿でも涼子である事に変わりはないんだし。」 きみどり「そうですよ。例え身体の大きさは違っても、 皆さんは貴女を朝倉涼子だって認識してくれますから。」 あちゃくら「シン君…きみどりさん…。(涙)」 二人の慰めに涙を流がすあちゃくらさん。 シン「それにしても、今日の喜緑さんはまるで別人みたいですね。」 きみどり「そう見えますか? それなら、何時もの私は貴方からどう見られているのか、 教えて頂けないでしょうか?」 きみどりさんからの質問にシンは悩みながら、 シン「何時もの喜緑さん、ですか? う~ん…、一言で言うなら、 ??「一言で言うなら?(黒笑)」 …えっ?[顔を青ざめる]さっ、さっきまで居たきみどりさんは!?」 喜緑「アスカさん、そんな【些細な事】はどうでも良いじゃないですか。 それよりも、私を一言で言うなら何なのか、 とても気になるので教えて頂けないでしょうか?…ええ。(黒笑)」 その手に黄緑色をした[何か]を力強く握りながら、 シンの答えを待つ喜緑さん。 と、そこに、 朝倉「まぁまぁ、喜緑さん。 そんなに威圧をかけたら、いくらシン君でも答えられないと思うわよ?」 そこには元の姿に戻った朝倉涼子が喜緑さんを諌める様に立っていた。 シン「…涼子、元に戻ったのか?」 朝倉「ええ、どうやらそうみたいね。」 そう言って、シンの隣に座る。 シン「それにしても、何で涼子は小さくなってたんだろうな?」 朝倉「さぁ?私にも良く解らないわ。 けど、私には、シン君が私の姿が変わっても変わらないって言ってくれた事の方が大事よ。(微笑)」 そう言ってシンに微笑む涼子。 シンは照れているのか涼子から顔を逸らす。 その姿を見ながら、涼子はこんな事で楽しんでいる自分も悪くないと思ってた。 それと、こんな事が出来る日々が長く続いて欲しいとも。 ~オマケ~ 喜緑「…色々と無視された事について色々と言いたい事がありますけど、 今回は久しぶりに出番を頂けました事ですし、 この位にしておきましょう。」 きみどり「あの~、出来たら私の身体を元に戻して頂けだけな… 喜緑「何か言いました?(黒笑)」 …いえ、何も。」 この後にどの様なやり取りがあったかは不明だが、 この日から、喜緑さんの部屋に新しい住人が出来た様です。 前ページ次ページ涼宮ハルヒクロスの作品集
https://w.atwiki.jp/animesongs/pages/2415.html
涼宮ハルヒの憂鬱 涼宮ハルヒの弦奏 東京フィルハーモニー交響楽団 涼宮ハルヒの弦奏(Amazon) 発売元・販売元 発売元:株式会社ランティス 販売元:バンダイビジュアル株式会社 発売日 2009.06.24 価格 2857円(税抜き) 内容 恋のミクル伝説 いつもの風景〜激烈で華麗なる日々 最強パレパレード 悲劇のヒロイン〜非日常への誘い〜ビーチバカンス 好調好調〜みくるのこころ〜小さくても素敵な幸せ〜おいおい〜コミカルハッスル 冒険でしょでしょ? 歌:涼宮ハルヒ(平野綾) 交響曲第7番ハ長調作品60「レニングラード」第一楽章より 素直な気持ち〜ある雨の日〜ハルヒの想い ザ・ミステリアス〜朝倉涼子の真実〜冬の足音 Lost my music 歌:涼宮ハルヒ(平野綾) SOS団始動!〜何かがおかしい 雪、無音、窓辺にて。 歌:長門有希(茅原実里) のどかな商店街〜ユキ登場〜ピンチっぽい!〜ミクル変身!そして戦闘!〜大団円 ハレ晴レユカイ God knows... 歌:涼宮ハルヒ(平野綾) 備考 歌はオーケストラヴァージョン。
https://w.atwiki.jp/rakirowa/pages/64.html
アンドロイドvsホムンクルス ◆OGtDqHizUM 学園の校庭で奇妙な格好をした男が立っていた。 「ふざけるなよピエロめ…これは俺への嫌がらせか蝶・サイテー!!」 人型ホムンクルス、パピヨンはさっきの出来事を思い出し、腸が煮えくり返っていた。 殺し合いを嫌っているわけでもなく、見せしめとして少女が殺されたことでもない。 まず、飛ばされた場所が学園であるということだ。 パピヨンにとって学校はいい思い出が全くなくかつては綺麗サッパリ消してしまおうと思っていた。 だがそんな問題など今の彼にとっては些細なことである、もっと重要な問題とは―― 「いろいろあって泉の仇を取り…俺の首輪も解除し…ニアデスハピネスも手に入れ… BADANの奴らのところへ突撃しようとしたのに…帝王への道が全て水の泡だ…蝶サイテー!!」 前のロワの帝王ロードへの途中でいきなりこの殺し合いを企画した奴らのところへ飛ばされこんな様である。 つまり帝王への道は最初からになってしまったのだ。何気に打撲とかが治っている。 だが、パピヨンはそう簡単に帝王への道を諦めるほど精神的に脆くはない。 この殺し合いを企画している奴らもBADANと同じくらいの、またはそれ以上の規模の組織なのかもしれない。 やることは変わらない。奴らを打倒して支配する、それだけだ。 支配する目標がBADANから別になっただけのことである。帝王への道のりは変わらない。 とりあえずまずは支給品の確認からだ。 水や食料とかは問題ない。ちゃんと入っている。 問題は武器だ。前のときはロクなものが支給されていなかったが、少しはマシなものがあるんだろうな? 結局自分に支給されていたのものは二つ。 どこかにぶつけたのかところどころひしゃげたキーボード、そしてipodなるものである。 戦闘にはほとんど役に立たない外れ支給品という奴だ。 自分は生身の状態でも戦えるのでさほど問題にはならないが… 「とりあえずまずはニアデスハピネスを手に入れることからだ。」 そしてパピヨンは学園の校舎の一つの教室に小さな灯を見つけ、そこへ向かっていった。 ◇ ◇ ◇ 窓から月明かりが照らされた教室で1人の少女が立っている。 何故だろうか。どうでもいいことだろうが教室の机とイスは全てどこかに片付けられていた。 彼女の名は朝倉涼子、カオスロワ5thを見事生還した奴らの1人。 生還後はカオスロワの途中で結婚した長門との幸せな新婚生活を送ろうとしていた。 その矢先のことである、朝倉が今始まっているバトルロワイヤルに呼ばれたのは。 朝倉は一通り考察する。 (あのピエロの話からして参加させられている私達は一度別の世界で今行われている殺し合いをやらされていた。 しかもわざわざそのために一度死んだ命を蘇らせられた人たちもいる。 破損したデータが何の前触れもなく修復したり、別の平行世界の人間を連れてくるなんて何か意味があるのか――) 朝倉は名簿を見ながら考えていた。 実際自分の世界で死んだはずのハルヒやこなたなども参加しており、 自分の知り合いであるアカギの名前が2つ、6/に至っては3つもある。 「まあいいか。幸せな新婚生活を邪魔されたのにあのピエロの言うことを聞く義務なんかないわよね。 この殺し合いが何のために行われただとかそんなのはどうでもいいじゃない。 ただ私はさっさとこのゲームを脱出して長門さんとの幸せな生活を送るだけよ。 まずは私の知り合いと合流することよね。」 そして朝倉は自分の支給品のチェックを始める。 懐中電灯の灯を点し、デイバッグを照らす。 食料や地図、名簿などは一通り確認、武器として鉈も発見した。 バッグの中には他に多角形の形をした硬い物体があった。 大きさは小さめ、武器として使うことなんて…うん、それ無理。 だが朝倉は他に紙切れがあったのでそれを見てみることにする。 どうやら説明書のようだ。 そこには丁寧なことにその謎の物体に関することが書いてあった、核鉄と呼ぶようだ。 「武装錬金…………ニアデスハピネ………」 朝倉がその金属の塊の名前だと思われる名前を口にし始めた時、 窓が割れる音とともに、その割れた窓から何者かが飛び込んできた。 「着地っ!!」と言いながら変なポーズを取り、言葉通りに着地した。 そこには全身黒タイツに蝶のような形をした仮面を付けたまさに奇妙な格好の男が立っていた。 そしてその男は呆然としている朝倉を見るとこう言った。 「核鉄頂戴っ!!」 「うん、それ無理。」 ◇ ◇ ◇ 「俺の名は帝王・パピヨン♪」 いや、誰も聞いていないのだが。とりあえずその奇妙な男はパピヨンと名乗った。 「パピヨンねぇ……」 「チッチッチッもっと畏怖を込めて。帝王・パピヨン♪ とりあえず貴様の名前も聞いておこうか。こっちが名乗ったんだ、お前も名乗るのが礼儀というものだろう。」 実際はそちらさんが勝手に名乗ってきたのだが。 でもまあとりあえず答えることにした。 パピヨンの相手をしながら朝倉涼子は自分の広げていた支給品をデイバッグにしまっていく。 「…でっていう。」 「でっていう?ヘンテコな名前だな、お前はどこの国…いやどこの世界の人間なんだ?」 もちろん彼女が名乗ったのは偽名である。名簿でみた適当な参加者の名前を使ったものだ。 何しろ登場のしかた、奇妙な格好、そのくせ現れていきなり「核鉄頂戴っ!!」なんて奴は誰でも不信がるだろう。 しかも帝王とか…6/の言っていた中二病とはこのことか? 「まぁいい…とりあえずだ、その核鉄を俺に渡せ。貴様への用はそれだけだ。」 「核鉄ってこれのことで間違いないんだよね?」 朝倉は自分が持っている核鉄を指差す。どうやらこれで間違いないらしくパピヨンは頷く。 彼女は再び笑顔を浮かべ、 「うん、それ無理。」 「そうか、ならば力づくでも奪い取る!!」 朝倉の返答を聞いた後パピヨンは素早い動きで朝倉へと襲い掛かる。 パピヨンは朝倉の鳩尾に手刀の一撃を入れ、気絶させて核鉄を奪うという考えだった。 人間では捕捉出来ないような動きでとっとと済ませる予定だった。 だが、朝倉は人間離れした反応でパピヨンの突きの一撃を片手で掴んで止める。 「なにっ!?貴様…」 パピヨンは驚いた。なにしろ見た目はこなたのような普通の女子高生。 自分の攻撃に超反応…いや蝶反応で止めてくるとは予想外だった。 「貴様、さてはただの人間ではないか?」 「それってこっちの台詞でもあるんだけどね。」 そして朝倉はパピヨンの手刀を掴んだままもう一つの手で核鉄を持って口を開く。 「武装錬金、ニアデスハピネス。」 「何っ!?」 教室中に黒い粉が漂い始める。 その黒い粉の正体は黒色火薬である。 着火することで強力な爆発を起こす黒死の蝶―― 「くっ…貴様、それはお………」 パピヨンが何かを言おうとしたが、それは爆発によって視界とともに遮られた。 ◇ ◇ ◇ ~学園内部廊下~ 「……」 爆発の煙が充満する教室からパピヨンが姿を現した。 パピヨンは爆発が起こる前に教室のドアへ向かって恐るべきスピードで向かい、 爆風を直接喰らうことを避けたのである。何気にデイバッグも回収している。 自分で使っていたことがあるからニアデスハピネスの恐ろしさは熟知している。 まともに喰らったら死ぬ可能性も否定できなかっただろう。 「だがあれは俺を倒すためじゃない。あの女…逃走経路を確保するために逃げたな…?」 実際本気になればニアデスハピネスならもっと広範囲の強烈な爆発を起こしていただろう。 パピヨンが逃げられないくらいの。まぁそうなれば自分も危ないわけだが。 パピヨンは朝倉が最低限自分が逃げるための爆発とパピヨンを退かせ、自分の姿を晦ますための爆発を起こしたと推測する。 恐らく教室の窓あたりから脱出したんだろう。 「ちっ…まんまとやられたか…。だがいい、ニアデスハピネスはもう見つけた。 絶対にあの女…でっていうだけは逃がさん、必ず探し出して最悪殺してでも奪い取ってやる…。」 パピヨンは帝王への道がオジャンになって不機嫌になっていたことと、 自分の愛武器ニアデスハピネスを見つけたことが合わさり頭の中の冷静さをやや失っていた。 実際支給されてある名簿をまだ確認しておらず、 自分が好きだったこなたが参加していることや、アカギが2人いること。 そして他にも自分が殺したはずの川田が参加していることを彼は知らない。 本人はそのことに気付いているのかいないのか…… 【F-3/学園校舎内廊下3階/1日目-深夜】 【パピヨン@漫画キャラバトルロワイヤル】 [状態]:健康、不機嫌、主催に対して怒り [装備]:ひしゃげたキーボード@ニコロワ [持物]:デイパック、基本支給品一式、IPOD(キーボードクラッシャーの音声入り)@ニコロワ [方針/行動] 基本方針:主催のトップを倒して帝王として君臨する 1:朝倉(本人はでっていうだと思っている)を探しニアデスハピネスを取り戻す 2:最悪の場合殺してでも奪い取る 3:首輪を外したい 4:まんまとやられた… [備考] ※漫画ロワ 242話の「襲来!蝶男の帝王舞」より参加。 ※いろいろあって冷静さを少し欠いてます。本人は気付いていないものと思われます。 ※朝倉涼子の名前をでっていうだと思っています ~学園 校庭~ そして教室の窓から脱出した朝倉は煙が撒き上がる教室を尻目にして校門へと向かっていた。 脱出の仕方は先ほどのパピヨンのほぼ推測どおり、 最低限の爆発を起こしてパピヨンを退かせ爆発で姿を晦ます隙に教室の窓から脱出し外の校庭へ着地。 教室は3階だったが、インターフェースである朝倉にとっては何の問題もない。 (結局、あの男は危険人物だったのかな?よく分からなかったけれども。 交渉くらいはしとけばよかったかな…あ~あ失敗。 まぁいきなり人の支給品を奪いにかかってくるんだから警戒するにこしたことはないよね。 でも危険だろうがそうでなかろうがこの『ニアデスハピネス』を渡すつもりもなかったけど。 ニアデスハピネスか…自由に形を変え、自由に動かせ、自由に着火できる…いろいろ使い道がありそうね。) そして朝倉はいろいろ考えながら走っているうちに校門につく。 「さて、パピヨンがいつ追ってくるか分からないし、どこへ向かおうか。」 朝倉は地図を見て自分がどこの方向へ向かおうか考えていた。 【F-3/学園校門付近/1日目-深夜】 【朝倉涼子@テラカオスバトルロワイヤル】 [状態]:健康 [装備]:鉈@現実 [持物]:デイパック、基本支給品一式、ニアデスハピネス@漫画ロワ [方針/行動] 基本方針:殺し合いからの脱出 1:知り合いとの合流(長門との合流を優先) 2:パピヨンが追ってくるかもしれないので学園を離れる 3:パピヨンは危険人物?次に会ったらどうするか [備考] ※カオスロワ5th生還後からの参戦。生還後からまだあまり経っていないものと思われる ※自分の情報操作力について何らかの制限がかかっていると思われます ※F-3の学園校舎の教室の一つが爆破されて半壊していると思われます 006:魔女狩り・再び 投下順 008:やる夫は神(笑)相手に一歩も引かないようです 006:魔女狩り・再び 時系列順 008:やる夫は神(笑)相手に一歩も引かないようです パピヨン 065:彼 ら の 行 方 朝倉涼子 059:GHOST IN THE SHELL
https://w.atwiki.jp/jojost/pages/123.html
ジョニィ・ジョースターの憂鬱 第一話 第二話「バスケット・ケース」 第三話「マジカル・ミステリーツアー」 第四話「戦慄の王女」 第五話 「朝倉涼子が来る」 第六話 「スターティング・オーヴァー」 第七話 「バイシクル・レース」 第八話 「バイシクル・レース 2」 第九話「恋のミクル伝説」 第九話「恋のミクル伝説2」 第十話「恋のミクル伝説③」 第十一話「恋のミクル伝説④」 第十二話「恋のミクル伝説⑤」 第十三話「マドンナ」 第十四話「マドンナ②」 第十五話「マドンナ③」 第十六話「マドンナ④」 第十七話「マドンナ⑤」 第十八話「マドンナ⑥」 第十九話「アナーキー・イン・ザ……」 第二十話「アナーキー・イン・ザ……②」 第二十一話「アナーキー・イン・ザ……③」 第二十二話「アナーキー・イン・ザ……④」 第二十三話「アナーキー・イン・ザ……⑤」 第二十四話「キリング・ザ・ドラゴン」 第二十五話「キリング・ザ・ドラゴン②」 第二十六話「キリング・ザ・ドラゴン③」 合計 今日 昨日 - - -